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2023年1月号
コロナ禍と住まいの変容 ‐新しい日常とは何か‐
2020年初頭からのコロナ禍への社会全体での対応のなかで,住まいについても,自宅でのリモートワークの実施,郊外の広い住宅志向,地方への移住や多拠点居住など,様々な変化が生じている。
ただし,それらの中には,地方の空き家活用,郊外におけるなり拠点づくりなど,コロナ禍が始まる以前から取り組まれていたことが,withコロナへの対応で変質したり一気に加速したりしたものが存在する。一方で、コロナ禍において、住まいに関する様々な困難に直面する人も増加した。そこで、その支援のあり方が問われている。
さらには,withコロナでの住まいやライフスタイルの変容に伴い,その活動の現場である地域についても,駅前,郊外,地方都市,農山村等のそれぞれの場所で,従来とは異なる新たなポテンシャルが引き出されつつある。
これらの取り組みについて,この3年間でその活動がどのように変容したのか,多様な事例を収集することで,コロナ以後の住まいと地域のあり方を検討したい。
企画編集:大分大学理工学部創生工学科建築学コース准教授 柴田 建
コロナ禍における(それぞれの人・地域にとっての)住まいの変容
大分大学理工学部創生工学科建築学コース准教授 柴田 建
コロナ禍における住まいの確保 ‐住宅セーフティネット制度における居住支援活動について‐
国土交通省住宅局安心居住推進課 課長補佐 佐々木 麻有
住まいに組み込まれる学習環境 ‐学校と住宅との表裏環境‐
東京理科大学理工学部建築学科 教授 垣野 義典
コロナ禍により露呈された母子世帯の居住貧困と新たな支援の展開
追手門学院大学地域創造学部 准教授 葛西 リサ
いわゆる「アドレスホッパー」の生活実態 ‐大学院生の立場から‐
東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修士課程2年 坂下 航徳
シェアハウス+地域拠点:暮らす実験室IKI
暮らす実験室 市原 正 市原 史帆
住まいのサブスクリプションサービス「ADDress」 ‐多拠点居住と関係人口の創出‐
株式会社アドレス 佐別当 隆志 (聞き手 柴田 建(大分大学))
防災型ワーケーションの必要性
専修大学ネットワーク情報学部 教授 佐藤 慶一
移動する人々を誘致する ‐兵庫県淡路島から見る現代日本における地域開発の諸相
独立行政法人日本学術振興会 特別研究員(PD) 林 凌
ニューノーマル時代での人々の働き方とワークスペースの変化
株式会社コワーカーズ 中邨 宏季
ネスティングパーク黒川 ‐郊外の「表現者」となりわい居住‐
株式会社ブルースタジオ 大島 芳彦 (聞き手 柴田 建・梔i 梓(大分大学))
売り手・買い手の主体性を育む不動産サイト「家いちば」
家いちば株式会社 藤木 哲也 (聞き手 柴田 建・三宅 幹太(大分大学))