2017年7月号

Walkableな住環境

 最も基本的な移動手段である歩行。幼児から高齢者まで生活のいたるところで発生し、居住を考える際の基本的な構成要素である。歩行と住環境に関しては、これまでに多くの研究がすすめられ、また、「歩いて暮らせる街づくり」など様々まちづくりの施策としても取り組まれてきた。このwalkableであることは、自動車中心からの脱却、中心市街地の賑わい、環境、健康、バリアフリー、コンパクトシティ(集約型まちづくり)、安全な歩行環境整備など様々な視点から議論されており、住環境を考える際のもっとも古く基本的なテーマである。

 本特集では、これまで進められてきた、取り組みを振り返るとともに、walkableであることの価値を再認識し、将来の地域の居住環境について考察する。

企画編集:岡山大学大学院環境生命科学研究科 准教授 橋本成仁

 

安全に「歩ける」生活道路      
  国士舘大学理工学部理工学科 教授 寺内 義典

歩行を促すまちづくりの可能性
  東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻 准教授 樋野 公宏

視覚障害者が歩きやすい道路空間の整備視点
  日本大学理工学部交通システム工学科 助教 稲垣 具志

自動車大国からの足を洗う?
  〜機械の移動から人間の移動に焦点がシフトしていくドイツ〜
   早稲田大学 工学博士 エルファディング・ズザンネ(翻訳者・通訳者(日独英))

鶴岡市における「歩いて暮らせる街づくり」の取り組み
  鶴岡市建設部都市計画課主査 三浦 一夫

『Smart Wellness City』見附市における歩いて暮らせるまちづくりへの取り組み
  新潟県見附市企画調整課課長補佐兼総合戦略室長 伴内 正美

雁木を活かした“歩いて暮らせる街づくり”−新潟県上越市高田地区の取組み−
  新潟県上越市都市整備部都市整備課

魅力ある歩行空間の創出のための高山市の取り組み
  高山市基盤整備部都市整備課 小瀬 昌亮 

姫路市の歩いて暮らせるまちづくりへの取り組みと今後について
  姫路市都市拠点整備本部姫路駅周辺整備室

歩いて楽しいまちづくり〜長崎市の取り組み〜         
  長崎市まちづくり部

歩いて暮らせるまちづくり〜那覇市の取り組み〜   
  那覇市都市計画課・建設企画課

 

トピックス

平成28年度国際居住年記念賞授与式について
  一般社団法人日本住宅協会

 

広場

法制局の審査机(住宅局関係法令の審査過程あれこれ)その2
  元内閣法制局第2部参事官 山崎 篤男

住宅関係功労者表彰

第69回通常総会報告

 

書評

新しいマンション標準管理規約
  国土交通省住宅局市街地建築課 課長補佐 ヌ原 崇宏