2024年1月号

地方住宅供給公社の現在

 地方住宅供給公社は第二次世界大戦後の深刻な住宅難が続く1950年代、その前身の組織から、それぞれの地域の実情に応じた住宅供給事業が展開され、とりわけ大都市圏では市街地の不燃化とも連動して、先進的な都市型集合住宅の整備を続けられてきました。1965年に制定された地方住宅供給公社法に基づき、住宅不足の解消に向けて、戸建分譲、マンション分譲ともに地方圏、都市圏での住宅供給において多大な貢献をされてきたことは言うまでもありません。
 大量住宅供給の時代が終わり「量から質」へと住宅政策の舵が切られてからはそれまでのノウハウや蓄積を活かし、民間のハウジング業者がなかなか踏み込めない事業を活発に展開してきた歴史があります。本誌では2017年3月号においても同様な特集をお送りしましたが、この間は少子高齢社会が進み、とりわけコロナ禍を経験し、私達の住まいを取り巻く環境は大きく変化しました。
 持続可能な住まい・まちづくり政策と連携した取組みが期待される中、地方住宅供給公社のような実施機関なしには地域の住宅行政の諸課題が解決されていくことは難しいことと思います。
 本特集では総論として京都美術工芸大学の燗c教授にこれまでの地方住宅供給公社の歴史を振り返り、今後の展望についてご寄稿いただきました。続いて一般社団法人全国住宅供給公社等連合会の宗田常務理事に全国の地方住宅供給公社の事業概要を総括的にご紹介いただき、そして特徴ある取組みについて13の地方住宅供給公社よりご寄稿いただきました。
 本特集の企画は一般社団法人全国住宅供給公社等連合会の宗田常務理事の全面的なご協力の下、円滑に取り進めることができました。ここに記して謝意を申し上げます。
 コロナ禍を経た今日、地域の住宅行政の実施機関として地方住宅供給公社が尽力されている今日をご紹介することにより、地域の住宅行政の課題の解決に向けて多様な主体の連携や情報の共有が図られる機会となれば幸いです。

 

企画編集:一般社団法人日本住宅協会
編集協力:一般社団法人全国住宅供給公社等連合会

 

地方住宅供給公社の振り返りと展望 −経営改善の必要性と新たな役割−
 京都美術工芸大学副学長・京都大学名誉教授 燗c 光雄

地方住宅供給公社の事業 −地域の住宅政策課題の解決に向けて−
 一般社団法人全国住宅供給公社等連合会 常務理事 宗田 素典

東日本大震災後の災害公営住宅の管理受託について   
 宮城県住宅供給公社住宅管理部 参事 鈴木 努

群馬県住宅供給公社が取り組む団地再生事業について−広瀬団地再生への取り組み−
 群馬県住宅供給公社事業部事業推進課 木村 淳一郎

DX推進と脱酸素社会実現に向けた取組み     
  埼玉県住宅供給公社経営企画部経営企画室経営企画課

JKK東京(東京都住宅供給公社)の建替事業における新たな取組について
 東京都住宅供給公社住宅総合企画部住宅総合企画課長 藤田 隆

地域課題解決に向けた自治会等との協働による入居者の見守り及びコミュニティ形成の取り組みについて
 神奈川県住宅供給公社

マンション建替事業からみるマンション・団地再生                
  横浜市住宅供給公社

公社賃貸住宅の既存ストックを活用した団地再生事業
 愛知県住宅供給公社賃貸住宅課公社住宅推進室企業戦略グループ 伊藤 大介

堀川団地再生事業と「アートと交流」〜「下駄履き住宅」の再生と地域の活性化   
 京都府住宅供給公社

大阪府住宅供給公社がめざす将来像の実現に向けた取り組み    
 大阪府住宅供給公社経営戦略室企画課

「中期経営計画」策定〜転換期を迎えた大阪市住宅供給公社の新たな指針〜 
 大阪市住宅供給公社住宅管理部管理課

高知県住宅供給公社の新たな挑戦〜北川村共同社員住宅建設事業による中山間地域の振興への貢献〜
 高知県住宅供給公社理事長 田所 実

公社賃貸住宅及び県営住宅における保全業務のDX化(保全業者との間における情報共有システムの導入) 
 福岡県住宅供給公社建設事業部保全事業課

北九州市における空き家の利活用に向けた取組み(面的対策事業について)
 北九州市住宅供給公社事業企画課企画係長 阪田 健司